波動は、音波であれ、弾性体を伝わるものであれ、電磁波であれ、未知 の媒体に関する情報を得るために使うことができる。その調査の第一段 階は、音響学であるならトランデューサー、地球物理学であるなら地震 計、電磁波であるならアンテナが波動を発生させ、受動アレイがその波 動を測定する。次の数値化の段階では、測定されたデータを処理して、 波動が伝わる媒体物が有している特徴の数々を評価することになる。す なわち波動の発信源、反射物の位置や形などである。
使用可能なモデルがまだまだ完成度の低いものであれ、使用可能なデー タが限られておりノイズがたくさん混じっているものだとしても、未知 の構造物の諸部分を評価することへのチャレンジはやめてはならない。 それを行うためのプロセスは、まさしく少量の内容物や歪んだ形を再構 築するべく発信源や反射物を検出し場所を特定することである。
2000年代に相互相関関数が導入され飛躍的な発展があったわけだが、 それにより画像化へ向けた特徴的なアプローチがなされた。この発見は 、観測されたデータの時間軸を逆行させるという実験で観察された結果 として予期せぬ形でもたらされた。受信装置のネットワークを使って波 動を記録し、それらの波動を時間軸を逆にして再生し媒体物に伝えるこ とで、それらの波動を発信源や反射物に集中させることができるように なったのだ。驚くべきことに、ランダムにチグハグとなった媒体に波動 を再集中させた方が、均質な媒体に再集中させるより、はるかに重要な 成果が得られる。
マルチ静止画像において中心となるテーマは、データサイズ、計算複雑 性、S/N比と解像度の間のトレードオフを数量化し理解することである 。解像度と安定性の間のトレードオフは、観測されたデータにノイズが 多い時には否定的に見られる。ノイズはマルチ静止画像では様々な形態 であらわれるだろう。受信装置に由来する測定ノイズが混入してしまう 場合がある。つまり、記録されたデータは、後から混入するデータその ものとは相関関係のないノイズによって質が低下してしまうと考えられ るのだ。このタイプのノイズは十分に理解され、古典的な画像化機能に よって軽減することができる。古典的な画像化関数とは、最小二乗画像 化(あるいは、フルウェーブインバージョン)、リバースタイムマイグ レーションあるいは移動時間マイグレーションのことである。
媒体に由来するノイズが生じる場合がある。バックグラウンドとなる媒 体は往々にして不均質であり、そのばらつきゆえにデータの中にクラッ ターノイズが発生する。測定ノイズと比べた場合、クラッターノイズは 、その重大な相関的な性質のゆえに、著しく異なった構造を持つ 。Siviennは、媒体に関する情報を伝える記録された信号の相関関係を 分析する。
発信源に由来するノイズが生じる場合がある。その場合、発信源が完全 にコントロールされていないのかもしれない。にもかかわらず、コント ロールされていない発信源はもちろんのことその周囲にあるノイズ源か らも波動は発生しているわけであり、その相関関係を計算することで媒 体に関する情報を得られることもある。Sivienn独自のアプローチは記 録された信号の相関関係の分析をしたり、それらに含まれている情報を 抽出することである。
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